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ポール・オースターの描く“別の世界”



旅から帰ってきて、ニュースを横目で見ながら、ポール・オースターの新作を読んだ。
「The Man In The Dark」というタイトル。

現実の世界と平行した別の世界があって、そっちの世界は、2000年の大統領選挙(ブッシュ/ゴア)から別の道を辿る。
911は起きないかわりに、選挙の結果に腹を立てたニューヨークが、連邦から独立する。
それにマサチューセッツやニューハンプシャーといった北東の州が加わって、新しい国を建国する。
そして、オレゴン、ワシントン、カリフォルニアも別の国を建国する。
アメリカが3つの国に分かれて内戦が起きている、というストーリーである。
いやはや。

内陸のアメリカ、つまり共和党の支持基盤と、両脇のアメリカ、つまり民主党の支持基盤の価値観があまりにも違うので、そんなに違うなら別の国になってしまえばいいのに、と思ったことは何度もあるけれど、分かれるとなると、やっぱり戦いになってしまうのだろうか。
と、あまりに非現実的ではあるけれど、なかなかに面白いシナリオである。
そうはいっても、ポール・オースターなわけで、メインのストーリーは、主役の人生なのですが。

ここ1週間くらい、金融危機がさらに進んで、ニュースの大半を占めているけれど、それと同時に、世論調査の内容に変化がでてきた。
共和党が強いはずの州で、オバマが支持を伸ばしているし、これまであまり動かなかった50歳以上の層(つまり、株や不動産といった財産がどんどん減っているのを不安に思っている層)が、少しずつオバマに流れている。
現状はこんな感じ。
http://www.realclearpolitics.com/epolls/maps/obama_vs_mccain/

というわけで、マケイン陣営が焦っているようです。
今日は、ついに、過激なネガティブ・キャンペーンに乗り出した。
きっかけは、ウィリアムズ・エアーズという人物とオバマの関係を取りざたしたニューヨークタイムズ(4日付)の記事。
エアーズという人物は、イリノイ大学シカゴ校の教授で、60年代にラディカルで暴力的な政治団体に属していた。
マケイン陣営が、これに飛びついた。
サラ・ペイリンの今日の発言。
Our opponent ... is someone who sees America, it seems, as being so imperfect, imperfect enough, that he's palling around with terrorists who would target their own country
「敵方(オバマ)は、アメリカを不完全なものだと考えるあまり、自分の国を標的にするテロリストと友達付き合いをしているようだ」
pallingというのは、友達という意味のpalからきているようです。

オバマとテロリストに深い関係があるような言い草である。
ちなみに、その後の報道を見ていると、このエアーズ氏とオバマは、貧困と戦うシカゴのチャリティの役員を同じ時期につとめた、というだけの関係でしかないらしい。
ひどいもんです。

マケインは、「典型的な政治家ではない」ということを売りにしてきた。
ブッシュと共和党候補の座を争ったときには、ブッシュ陣営のネガティブ・キャンペーンの餌食になった人でもある。
卑怯な選挙運動はしない、と何度も言ってきたのに、さすがにここまできて冷静さを失ってしまったのだろうか。

景気の先行きが不安定になると、マケインには決定的な弱みがある。
それは、彼がケタの違うお金持ちだということです。
家を何軒所有しているのか、という質問に答えられなかった、というエピソードは有名です。
金融不安とともに、自分がじりじり負けそうになっているのをみて、必死に景気から話題をそらそうとしている。

ついに、「オバマ=テロリスト」戦略に出たマケインを見ていると、お互いを叩き合う2大政党の政治家が住んでいる世界と、普通の人たちが、家を失ったり、仕事を失ったり、財産がどんどん目減りして不安に感じている世界がまったく別の場所に存在しているような気がする。

アメリカを一周して、乖離しているのは、両岸と内陸ではなくて、メインストリームのマスコミが映し出す「アメリカ」と、普通の人たちの暮らしなのではないかと感じた。
ポール・オースターが描いた「別の世界」とはちょっと違うけれど。

なんだかなあ。
こんな大変なときに、叩き合っている場合か、って本当に悲しくなってきた。
ひとつわかっているのは、選挙が終わったところで、普通の人々を待っているのは、さらに厳しい現実であるということ。
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