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ファッションとFワード

SPUR LUXEという初めての媒体で、ニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)の美術館ディレクター、バレリー・スティール氏にインタビューした。
彼女は、ファッションをアカデミックに研究した最初の研究者の一人。

インタビューは、彼女がスタイルというものをどうとらえているか、というテーマでやったのだけれど、雑談で、歴史学部の博士課程に所属する学生時代に、ファッションをとりあげます、と教授たちに宣言したときの恐怖体験について話してくれた。
ファッションをファシズムと誤解されたこともあれば、ほとんど罵倒されたこともあったという。
そしていまだに、ファッションは、カルチャーの分野の一つとして軽視されている、という話も出た。

彼女は、ファッションに対するお堅い人たちの恐怖感を、「Fワード」に対するタブー感になぞらえて論文を書いている。

そういえば、私も、ファッションに対して、そういう気持ちがまったくないとは言えない一人。
個人的には、美しいモノも、お買い物も大好きだけど、若い頃に左側の思想に傾倒したせいか、胸を張ってそれを言えなかったり、自分は浅薄な人間なのではないかと罪悪感を感じてしまう自分がいる。
アメリカ人の友人の一人と政治談義をしているときに、「あなたの言ってることはとても正しいけれど、あなたの外見と服装でそれを言われると、嘘くさいと思ってしまう」と言われてかちーんときたこともある。

バレリーさんは、
「どれだけファッションに興味がないという人間でも、数ある商品のなかから自分が着るものを選んでいるわけだから、ファッションとは無縁とはいえない」
と説明してくれた。
罪悪感を感じる必要はないんですよ、むしろ、私はこの服が好きなんですと胸を張っていなさい、と言われたような気持ち。

特に、こんな時代だから、買い物とか、消費に対して、罪悪感を感じないといけないというような風潮が広がっているような気がする。
それでも、自分が手にとるもの、買うものには、なんかしらの理由がきちんと存在している。
もちろん、労働環境が劣悪な工場で作られた商品を買ったりすることは避けたいし、自分のアイデンティティに嘘のないものを身につけたいけれど。
今度、いちゃもんをつけられたら、がっつり反論できると思ったのでありました。
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| 知識人 | 07:05 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

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ギャラリーとアーティスト

先日、メトロポリタン美術館で、「Pictures Generation」というショーが始まった。
アメリカ消費文化の初期に育った世代にフォーカスを充てたグループ展。
シンディ・シャーマンやリチャード・プリンスを始めとする30人がフィーチャーされている。



これ、私にとってもちょっとしたビッグディールなんです。
なぜかというと、お友達のアーティスト、マイケル・ズワックが30人のなかに入ったから。
マイケルは、ものすごく不器用な人で、かつてはメトロピクチャーズとか、ポール・カスミンといったチェルシーのメジャーなギャラリーがついていたのだけれど、需要のスピードにあわせて創作活動をできなくて、いつしかギャラリーシーンから見捨てられてしまった。
アートは作り続けているものの、ここ何年も別の仕事でご飯を食べている。
だから、メットに今回とりあげられたことは、一友人として、とっても誇らしいことだったのです。
(写真は、フィーチャーされているマイケルの作品のひとつ)

今日、また別の有名ギャラリーがついている日本人のアーティストの方をアトリエに訪問するチャンスがあった。
彼も、80年代からニューヨークに住んでいる人なので、ギャラリービジネスの裏側について、とても書けないようなおもしろい話をたくさんしてくれた。

「ギャラリーなんて、みんな狸だよ」
という彼に、
「イヤになることはないんですか?」
と聞いてみた。すると、
「ギャラリーが稼いでくれないと、作家は死んで行く。イヤだイヤだといいながら、こっちもそれを楽しむくらいの余裕がないと、やっていけないよね」
という答えが返ってきた。

なるほどなあ。
これまでの経験から、ギャラリーなんてやっている人の大多数は、アートやアーティストのことを心からケアしているとは思えないとずっと感じてきた。
もちろんなかには真摯にやっている人もいるのだけれど。
狸の化かし合いも、「おもしろい」と思えないできた自分にも、見えてないモノがあるのかもしれません。

友達のマイケルは、ギャラリーの言うようにできない自分の問題は、なんなんだろうと、セラピストに見てもらったところ、「貧乏コンプレックス」と言われたそうな。
貧乏な出自だったから、アートでお金を稼ぐことに、罪悪感を感じ続け、それを克服できなかった、ということらしい。
一度、冬の時代を経験したわけだから、これからマイケルが罪悪感を克服できるようになりますように、という気持ちである。

ちなみに今、ニューミュージアムでも、若い世代にフォーカスしたショー「Younger Than Jesus」 をやっている。
2つの正反対のミュージアムが、別の世代にフォーカスを充てたショーを同時期にやっているわけなので、比べてみて見るとおもしろいと思う。
ニューヨークに住んでいる人はぜひ。


| アート | 04:50 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

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ニューヨークはプログレッシブか

最近、道を歩いていると、非営利団体が資金集めをしているのが目につくことが多い。
景気が悪いから、寄付が減っているのだろう。
常に遅刻気味の私は、足を止めないことも多いのだけれど、先日、つい足を止めてしまった。

それも私がつい足を止めてしまうような殺し文句が耳に入ってきたから。
Did you know it was not illegal to fire somebody for being a transgender in New York?
(トランスジェンダーだという理由で従業員を解雇する行為が、ニューヨークで違法にならないことを知っていますか?)

声をかけてきたのは、ゲイ、レズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダーの権利を守るHuman Rights Campaign

人種だろうと、セクシュアリティだろうと、誰かのアイデンティティを理由に解雇することが許される世の中であってはいけないと思うので、ついつい寄付してしまった。
特に最近、女性に性転換をした元男性の殺人事件の裁判がコロラドで始まったり、11歳の男の子が「女っぽい」という理由でいじめにあって、自殺するという事件があって、その手のことについて考えていたせいもある。

特定の人種やゲイを相手にした暴力犯罪を「ヘイト・クライム」と呼ぶけれど、その手の事件はなかなかなくならない。
おまけに最近、日本のカルチャーだとばかりおもっていたいじめが、アメリカでも増えているような気がする。

話は違うが、ニューヨークシティに住んでいると、ここはプログレッシブな場所だと思いがちだけれど、州レベルでいうと、そうでもない。
かつて女性に参政権を与えるための運動が始まった場所であり、黒人の権利団体であるNAACPが設立された場所でもある。
が、先日、州議会の上院で、同性愛者の結婚を合法にする法案が却下されたばかり。

ちなみに今、一番プログレッシブな州はマサチューセッツである。
同性愛結婚は認められているし、州の皆保険も整備されている。
おまけにマリファナの個人使用の非犯罪化をいちはやく決めた州のひとつである。

パターソン知事とニューヨーク市のブルームバーグ市長がタッグを組んで、同性愛者の結婚を認めさせようとしているけれど、どうなることやら。
プログレッシブであることに誇りをもってきたはずの場所なのに、州政府のあるアルバニーは意外とコンサバな場所なのです。
がんばれ、ニューヨーク。

| ニューヨーク | 06:56 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

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冷戦下のスパイと“オルガ・テスト”

ちょっと前に病院で、ドクターと雑談するチャンスがあった。
白人で年の頃は40歳くらい?
がっちりした体型のちょっといい男。
おしゃべりが好きそうな感じだったので、前から気になっていたことを聞いてみた。
病院で記入させられる問診票。
必ず「麻薬をたしなんだことはありますか?」という質問があるのだけれど、あれってみんな正直に書くもの?

「正直に書く人も多いけれど、病気に直接関係がない場合は書かないほうがいいんだよね。政府が医療記録をチェックすることもあるし」
?????
それは、プライバシーで守られているのでは?
「法的にはそういうことになっているけれど、政府が医療記録に触らないことはないとは言えないんだ」
がーん。
ところで、なんでそんなことを知っているのですか?
「僕、政府で働いてたことあるんだよね、諜報部門だったんだけど」
ってことはCIA?
「ま、それは想像にまかせるけど」
なんで辞めちゃったの?
「“オルガ・テスト”にひっかかったんだ」

“オルガ・テスト”とは、養成中のスパイに、美しいブロンドの女性を差し向けて、ひっかかるかどうかを試すテストなんだそうな。
「冷戦中、ソ連がアメリカに対して持っていた最大の武器は、美しいロシア人女性だったんだ。ものすごい数のアメリカ人スパイが、女性の魅力にやられちゃったんだよ」
それって、ジェームス・ボンドみたいじゃん!
このドクターは、「オルガ・テスト」にひっかかり、デスクジョブをオファーされたのだが、現場のスパイになれないんだったらつまらない、とメディカルスクールに行き直したのだという。

“オルガ・テスト”はまだやってるんでしょうかねえ?
「どうだろう、今のアメリカの敵はまったく違うタイプだからねえ」

もっともっと聞きたいことはあったのに、雑談はそのあたりで終わってしまった。
目下最大の敵がテロリズムだとすると、別のテストが行われてるのかもしれない。
なんて考えながら病院を後にしてはっとなった。
もしかして、私、ものすごくお話のうまいドクターにだまされてたりして???



| 番外編 | 04:44 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

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バーニー・マドフとユダヤ人のキモチ。

しばらくたまっていた雑誌類を整理していたら、ニューヨーカー誌の3月30日号に、ウッディ・アレンが書いた「Tails of Manhattan」というショートストーリーを発見した(遅いけど)。

巨額の詐欺事件で逮捕されたバーニー・マドフ(英語ではメイドフと発音します)のぺてんにかかり、死に追いやられた被害者が、ロブスターに生まれ変わり、マドフをやっつけるというストーリー。
テーマは復讐だけど、ユーモラスでかわいらしい感じに描かれている。
ちなみにタイトルに「tale(物語)」ではなく、「tail(尾っぽ)」が使われているところもかわいいでしょ。



バーニー・マドフの詐欺事件は日本でも一時ニュースになったようですね。
被害にあったのが、金融関係者や投資家だけでなくて、セレブや教育機関、チャリティー団体と多岐にわたったこともあって、こっちではいまだにマドフ事件のニュースを目にしない日はないというくらい。
(写真は、ストリートで見つけたグラフィティ)。

ウッディ・アレンは被害者だっけ?と思って調べてみたけれど、そうだという話は見つからない。
すべての被害者が明らかになっているわけではないので、本当のところはわからない。

しばらく前にアカデミー賞での日本人のスピーチにちょっとがっかりしたという話を書いたけれど、その話を、ニューヨークの代理父のような存在であるマーク(もうすぐ60歳、ユダヤ系)としたときに、
「そのときのきみの気持ちは、マドフを見て、がっかりする僕たちの気持ちと一緒かな?」
と聞かれた。
同じユダヤ系アメリカ人がへまをしたり、悪さをすたるするのを見ると、ものすごくがっかりするし、腹が立つし、その気持ちは言葉にあらわせるようなものではない、という話をしてくれた。
アメリカのユダヤ人の大半が俺と同じ気持ちを味わってるはずだ、って。

うーん、それはちょっと違うと思う、と答えた。
だって、私が育った場所には、悪い日本人も良い日本人もいたわけで。
そうか、そういえば、イスラエルに初めて行ったときにはびっくりしたもんな。警官も売春婦もユダヤ人じゃないか!って。
ほぼ単一民族でうまっている国で育った人間と、メルティングポットで育った人間の違いだね、という結論でその会話は終わった。

ウッディ・アレンも、そんな気持ちでこのショートストーリーを書いたのかもしれない。
ウッディのショートストーリーは、ここに全文で紹介されています。
不運な事態をユーモアで描くことにかけては天下一品ですね。

| カルチャー | 07:59 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

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北朝鮮ミサイル問題と米メディアの報道

北朝鮮のミサイル発射の可能性が高まった頃から、アメリカのメディアによる扱いが気になっていたのだが、現実になったときは、3大ネットワークのニュースはもう終わった時間帯。
うちでCNNをつけっぱなしながら仕事をしていた。
CNNではもちろん「breaking news」の大事件扱い。
しかし、そのあと予定されていたマルチン・ルーサー・キング牧師の特番(しかも再放送)は予定どおりに放映し、細かい報道は、深夜1時すぎにCNNインターナショナルに切り替わってから。
近隣諸国の反応から、過去の背景のおさらい、金正日の人となりまで、わりと細かく丁寧な報道だったけれど、時間が時間だけにどれだけの人が見ていたかは疑問である。

ちなみに余談だが、私の周りの人は、普通のCNNではなく、CNNインターナショナルを見ている人が多い。
国際ニュースが充実しているし、トークショー的なコンテンツが少ないから。
そうはいっても、アメリカの空気感はCNNのほうがわかりやすいので、個人的には普通のCNNをつけていることが多い。
(さらに余談だが、今、アメリカのニュースチャンネルの視聴者数は、プライムタイムだと超右よりのフォックスが1位、ビジネス系に強いMSNBCが2位、CNNが3位である。)

一夜明けてから、NBCのMeet The Pressを見た。
北朝鮮問題は、トッピックのひとつに上がってはいるものの、順番ではGM問題のあと。
今のアメリカのニュースの国内志向を象徴する感じである。
がっかり。

新聞も似たような感じ。
起きた時間のせいもあると思うけれど、ニューヨークタイムズは、一面トップのニュースにしつつ、社説欄では取り扱っていなかった。

昨晩のCNNのニュースでは、外務省の高官(名前をキャッチし損ねた。失礼)と電話をつないでインタビューしていた。
高官氏は、英語も流暢で、いいぞ~と思って聞いていたが、やっぱりしゃべりは役人風。
質問に直接答えずにまわりくどい説明から入る。
ちょっぴり残念。

CNNは、オンライン版で、各国の反応をまとめていた。
一番の当事者のはずの日本なだけに、河村官房長官の声明が、国連事務総長の声明のあとに紹介されているが、英語で比べてみると、やっぱりまわりくどいし、オバマやイギリスのミリバンド外相の声明に比べると、トーンは抑えめ。
もっともっと言ってもいいと思うんだけど。
日本語のニュースを見ていると、印象がちょっと違うのだが、これはCNNが悪いのか、はたまたPRがいまひとつうまくいかなかったのか。

一連の出来事をみていて、村上龍の「半島を出よ」を思い出した。

この本を読んで、ぶるぶるっとなったけれど、「意外に話題になってない」と言われて脱力したことを思い出す。
これを機に安保の議論がもう一度盛んになってくれればいいと切に願います。

| 時事 | 13:19 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

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非営利ジャーナリズムの未来

紙のメディアが売れない+紙用の広告予算が減っている+この不況、ということで、新聞がつぶれるというニュースが続いている。
ジャーナリズムの目的がもうけることじゃなかったとしても、お金がなかったらやっていけないわけで、私が紙として購入しているニューヨークタイムズだって、サイズは小さくなるし、どんどん薄くなるし、どうなってしまうのだ、と一読者として不安になっていた。

というところに、左派のオンラインメディアとして急激に伸びたThe Huffington Postが、the Huffington Post Investigative Fund という調査報道のための基金を始めたというニュースを読んだ。
寄付で集まった予算の総額は175万ドル。

余談だけれど、ハフィントン・ポストを始めたアリアナ・ハフィントンさんという人は、左派の論客的なポジションなのだが、おまけに大富豪で、彼女がハフィントン・ポストを始めたときは、富豪の娯楽的なレッテルを張られたり、揶揄されたりしていたのだが、あっという間に、力のあるメディアに成長した。

話を戻すと、この基金は、調査報道にあたるジャーナリストの給料と取材費にあてられ、この基金から生まれる取材結果は、ネット上で公開される。
もちろん無料で。
ハフィントンさんは、ジャーナリズムを救うために、こういう基金をもっと作りましょうと呼びかけている。

これ、うまくいくのだろうか。
非営利ジャーナリズム。
アイディアはとっても素敵。
お金を寄付してくれるお金持ちが存在するかぎりは続くわけだし、儲けに走る必要もない。
広告主に気を使わなくてもいい。
で、でも。
なんだか違和感。
いずれにしても、やってみないとわからないわけで、とりあえずどうなるか、注目してみようかと思います。


| メディア | 01:21 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

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