2009年02月 | ARCHIVE-SELECT | 2009年04月

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財政赤字と麻薬対策 ~ニューヨークとカリフォルニア

ここ数日、株式市場は好調とはいっても、世界の経済やアメリカの世界の経済の見通しが心配な今日この頃。
しかし、同じくらい心配なのは、ここニューヨークの経済。

特にニューヨーク州の財政は相当ひどいことになっているらしい。
税収、特に法人税からの財源が急に減ったうえ、”Tax Loss Carryforward(損失を繰り越しできる)”という会計上のルールのおかげで、大損を出したウォール街の金融企業から見込める税収は、あまりあてにならない。

ちなみにニューヨーク州は、去年の暮れあたりに、プールしていた失業保険の予算を使いきってしまい、一時は連邦からの借り入れをして資金繰りをしていたという話もあるくらい。
今後の財政赤字の規模は160億ドルとも言われている。
大丈夫か、ニューヨーク。

そして、ニューヨークと同じくらいやばいと言われているのがカリフォルニア。
失業率はとても高いし、財政赤字も膨らみに膨らんで、破綻寸前ではないかという声もある。
そんななか、カリフォルニアの州議員の一人が、とってもウルトラC的な解決策を提案している。
なんと、マリファナの課税。

ご存知の人も多いと思うが、カリフォルニアは、マリファナの医療使用を合法化した州のひとつ。
州法でオッケーになっても、連邦法では違法なので、連邦当局がカリフォルニアのマリファナ農場を恣意的に取り締まる、という奇妙な構図になっていたのだが、オバマ政権になって、連邦政府は、マリファナ農園の取り締まりをやめることを発表していた。

というわけで、マリファナ課税を提案しているTom Ammiano議員のコメント。
With any revenue ideas, people say you have to think outside the box, you have to be creative, and I feel that the issue of the decriminalization, regulation and taxation of marijuana fits that bill.

カリフォルニアのマリファナユーザーのみなさんが喜ぶかどうかはわからないけれど、こんな世の中、どれだけ斬新なアイディアを考えられるかが問われているのかもしれない。
ニューヨークでも斬新なアイディアが求められているのだと思うけれど、今の州知事を見ると、どうもそんなことは期待できそうにない感じだなあ、と思っていたら、ニューヨークも麻薬政策の見直しを検討しているのだという。

ニューヨークは、ヘロインが深刻な社会問題だった70年代の名残で、麻薬の取り締まりは厳しいほうと言われていたのだが、たとえば麻薬の使用で捕まった人が初犯だった場合、収監ではなく、治療させる、という方向で麻薬取り締まり法の改正の交渉が進んでいるのだそうだ。
もちろん理由は、麻薬の初犯をいちいち収監していたら、予算がいくらあっても足らない、ということである。

背景には、麻薬を売る行為は大きな犯罪だとしても、麻薬の中毒に陥ることは犯罪というより病気という考え方がある。
そして、麻薬とひと言にいっても、マリファナとその他のケミカルなドラッグは、はっきりと区別されている。
大麻で逮捕された人をマスコミが叩きまくる、どこかの国とは大違いである。

そんなことを読んで、なるほどな~と思っていたところ、ディナーの席で一緒になったフランス人エコノミストが、「麻薬はすべて合法にすべき」とラディカルなことを言う。

「ヘロインも? クリスタルメスも?」と聞くと、
「全部、全部」と笑うではないですか。

理由を聞くと、エコノミスト的な見地からいうと、いくら予算を使っても麻薬はなくならないし、取り締まれば取り締まるほど、麻薬問題は拡大するだけだから、という。
取り締まりが厳しい国ほど、麻薬問題は深刻なんだ。
経済的に効率が悪いんだよ。

なるほど。
経済的な効率だけでドラッグ問題を考えるのはどうかと思うけれど、いくら取り締まってもなくならない、という部分には同意。
というわけで、今日の教訓。
景気の状況がかわると、予想できることも、予想範囲外のことも、とにかくいろんなことが変わっていくものなのですね。

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| 時事 | 23:27 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

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株式市場大幅高の不気味

景気の先行きが見えない感じにすっかり馴れてきたような気がする今日この頃。
「期待の星」から「ダメなヤツ」にすっかりイメージが変わってしまったガイトナー財務長官が発表した不良資産買い取り案を発表した今日、株式市場は、気持ち悪いほどの大幅高。
朝読んだニューヨーク・タイムズでは、ポール・クルーグマンが、この案に対して、「despair(落胆X100倍くらいな感じ?)」という言葉を使っていたので、暗い気持ちでいたのに、あれ?市場は好感しているのね、なんて単純に考えかけてしまった。

が。
夕方電話をくれた金融業界の友人がひとこと。
「出来高がめっちゃ低いんだよね、金曜日の出来高より低かったし」
金曜日は、アジアとヨーロッパの市場が閉まってしまうので、取引の量が少なくなる。
取引の量が少ないと、値動きは激しくなるわけで、今日の市場は上がったけれど、しかも出来高が低いとなると、必ずしも、満場一致で喜んでいるわけではないということである。
不気味。とっても不気味。
そのうえ、株式市場が大きく上がったり下がったりしているうちは、まだまだ先行きが不透明だということで、余談は許さない感じ。

が、報道をみると、どこも「過去5番目、今年最高の上げ幅」ということばかりに注目している。
こうも暗い話ばかりが続くと、明るいニュースに注目したい気持ちはわかる。
わかるが、いいのだろうか、それで。

ちなみに、不良資産買い取りについては、専門家たちの意見も分かれているもよう。
全部読むのはめんどくさい、と思った人のために、ニューヨーク誌がウェブで要約してくれています。

でも、エコノミストでなくても、国が不良資産の買い取りを仲介するっていう案が根本的な解決にならなそうなことくらいわかる。

オバマのがんばりを見ていると、大きなニュースにならないような部門で、小さな努力を毎日積み重ねていることがわかる。
が、今、国民が一番心配しているのは、景気。
就任してまだ100日も経っていないのに、ウルトラCを期待するのはアンフェアってもんかもしれないけれど、それにしても、心配。
オバマくん、頼みますよ。まじで。


| ビジネス/金融 | 15:10 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

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ネイティブ・アメリカンの名言

この5日間ほど、出張でニューメキシコに行ってきた。
たびたび訪れている場所ではあるが、前世はニューメキシコに住んでいたのではないかと思ってしまうほど、強いコネクションを感じる。
青い空と、厳しい表情の自然、白人至上主義でないカルチャー(かつてはメキシコ領だったし、ネイティブがたくさん住んでいるので)に強くひかれます。

いつもは駆け足でまわることが多いのだが、今回は北部のアビキューから、サンタフェ周辺でゆっくり過ごした。

出張中の悪い癖なのですが、そんなわけで大騒ぎだったAIGの公聴会もネットでちらりと見た程度。
怒り半分、呆れ半分。まったく何を考えているんでしょうか。
オレの金はオレの金。他人の金もオレの金、みたいな話である。
そんなおり、サンタフェのショップでこんなはがきを見つけた。


Only when the last tree has died
and the last river been poisoned
and the last fish been caught
will we realize we cannot eat money

クリー族に伝わった名言です。

ネイティブに伝わる教えには学べる部分がたくさんある。
それなのに、彼らの歴史に関心を払うのは、本当にごくごく一部の人だけ。
そしてニューメキシコをうろうろしていると、ネイティブの人々の暮らしの貧しさが目につくことが多い。
ボーナスをもらうAIGの幹部に聞かせてやりたい。
と、また一つ考えさせられた旅になったのでした。

| 旅先から | 13:45 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

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今日の大コーフン:Twitterと不法侵入者

新しく登場するメディアには抵抗してしまうほうなので、ブログを始めるのにも、facebookを始めるのにも、ぐずぐずしてしまった私はわりとアナログなほうだと思う。
というわけで、Twitterが流行っているのを見て、自分が何をしているかをサイバーワールドにお知らせしたい人たちのことをちょっと不思議に思っていた。

しかし、twitterの存在は、は既存のメディアも無視できないくらいになっている。
CNNなんかは、わりと早い段階からTwitterを使っているし、ちょっと前には、The Viewで、バーバラ・ウォルターズも話題にしていた。
P. Diddyなんか、数分おきの勢いで更新している。
グーグルのCEOエリック・シュミットが
Speaking as a computer scientist, I view all of these as sort of poor man's email systems
「コンピュータ・サイエンティストとして言えば、貧乏人のメールシステムだと思っている」
なんて言ったことで、かえって話題になったり。
(後続の会社のことを軽視するような発言が、グーグル的でないということで)

それでもやっぱり抵抗感を示していたのだが、考え直す事件が起きた。
サンフランシスコに住んでいる男の子が、家にはいってきた侵入者を発見し、その様子を逐一Twitterに書き込んでいたのです。

その例をここにペーストするとこんな感じ。

# ok, maybe I should lock my door - I swear a random dude just walked into my bathroom and I can't believe I haven't freaked out
about 4 hours ago from Tweetie

# ok - he's still in the bathroom and Im now thinking a combo of hobo and drunk and sleepwalking dude - he seems late 20s - hmmm what next ?
about 4 hours ago from Tweetie

# hmmm ― should I call the cops like you guys have recommended? find a blunt object before opening the door? my gut tells me he's harmless
about 4 hours ago from Tweetie

# glad that GF wasn't here
about 4 hours ago from Tweetie

そしてそいつ(デビット・プレイガーくん)は、最後には、カメラを持って、侵入者と対決し、その様子をブロードキャストするのです。
その様子は、これ。
まじでおかしいから見てやって。



こいつはスターになれる。あ、もうスターなのかな。
こんなエキサイティングなことをリアルタイムで見れるんだったらやっぱり試したほうがいいのだろうか。
しかし、こんなエキサイティングなことはしょっちゅう起こるまいと思うと、やっぱり腰が引ける。
また悩みがひとつ増えてしまいました。

| メディア | 16:42 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

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保守派のアイデンティティとちびっこ論客

去年の大統領選挙に負けて以来、アメリカの共和党は、アイデンティティの立て直しに必死です。
そもそも、財政保守主義(小さな政府、減税などなど)を支持する人と、文化的保守主義(中絶撤廃、同性愛者結婚反対、進化論反対などなど)を支持する人の歩調がだんだんあわなくなってきたわけで、左派のオバマ大統領が圧勝したことで、おい、どうすればいいんだっけ?みたいなことになっているのがはたから見ていてもおもしろい。

最近、こんなことがあった。
圧倒的な人気を誇る超タカ派の保守派の論客ラッシュ・リンボウが、オバマの刺激対策の発表をうけて「失敗すればいい」と切って捨てた。
しかし、今のアメリカを見れば、「失敗」をしてもいい余地はほとんどないわけで、これが「アメリカ的でない」と批判された。
(余談だけど、アメリカ人が「アメリカ的な」というときは、だいたいポジティブな意味で使われることが多い。でも日本人が「日本的だよね~」というときは、だいたいネガティブな意味で使われる多い気がする。自画自賛と自虐が対照的でおかしい)

RNC(共和党全国大会)の委員長に初の黒人マイケル・スティールを担ぎだしたはいいが、ラッシュ・リンボウの発言に焦って「(リンボウは)エンターテイナーにすぎない」と言ったことで、共和党はまた右へ左への大騒ぎ。
スティールが謝罪することで事態が収拾されたわけです。

そんなさなかに、13歳のちびっこ論客が登場した。
みてください、これ。
ジョナサン・クローンくん。



今の共和党に必要なのはカリスマ。
ナショナルメディアは大喜びである。

ちびっこアクターだというが、しっかり保守主義についての本まで書いている。
お父さんとお母さんは、本人に比べたら政治への関心は薄いという。
一度みると、すげえこいつ、と思ってしまうが、2度3度見ると内容が意外とないことがすぐわかる。

しかし、喜んでる保守派もメディアもそして私もジョナサンがやることやってるってことについて考えるべきである。
この子の人気がこれだけ出てしまうのは、オトナがいかにちゃんと仕事をしていないから。
この子が次の選挙に出られる年でなくてよかった、なんてこっそりほっとしたのは私だけでないはず。
しかし、オトナがダメなくらいのほうが、もしかしてしっかりした子どもたちが育っていくのかもしれません。

| 政治 | 15:14 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

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雑誌メディアとラグジャリー



Numero 4月号。
元祖スーパー・モデルの一人、ヘレナ・クリスチャンセンにインタビューしました。
私の写真も“コントリビューター”の欄に出ています。珍しく。

不況の話になったときに、ヘレナが言ったことで、とても印象に残った言葉。
Magazines are luxury.
It is not like anybody can afford to pay $5 to look at beautiful things.
雑誌はぜいたく。
誰もが美しいモノを眺めるための5ドルを捻出できるわけじゃない。

最近、雑誌メディアの意味を考えていたので、思い出してはっとしたのでした。
日本で育った私には、雑誌がぜいたくという意識はなかった。
普通にお小遣いから捻出できる程度の存在だったし。

でもよくよく考えたら、アメリカの雑誌モデルは、雑誌=ぜいたく、というコンセプトに基づいていたのかもしれない。
アメリカの雑誌を初めてみたとき、広告の多さにびっくりしたのを覚えている。
だからアメリカでは、雑誌を定期購読するとびっくりするほど安い。
安い定期購読料で読者の数を増やし、それをネタに広告をとるのです。
日本では定期購読がそれほど浸透していないけれど、雑誌は広告で稼げばいいんだ、ということをアメリカから学んでしまった。
そして、アメリカでも、日本でも、雑誌はラグジャリーを奨励し、広告をとるためのコンテンツ作りに励んできたし、私もそれに加担してきたわけです。
今、ぜいたくというコンセプトが、まったく合わない時代にあって、ヘレナの言葉は、そんなことを思い出させてくれました(スーパーモデルでありながら、そんな考え方ができるところが彼女のエラいところなんだろうけれど)。

このサイトでも宣伝しているエスクァイア日本版復刊のための署名サイトを見ていたら、こんなコメント
を見つけました。

「熱心な読者と言うほどではないが、最近の雑誌といえば、商品のカタログようなものばかりで、内容の乏しい雑誌が幅をきかす中、書店で手に取る雑誌といえばエスクワィアが断然多かったから、新聞に休刊の知らせが出たのには驚いた」
(連絡のとりようがないので、ご本人の許可はいただいていません。もしご本人が見ていらっしゃったらすみません。メールをいただければと思います)

わかる人にはわかるんですよね。
そりゃあ雑誌離れが進むわけだ・・・

最近、「こんな時代のモノ作り」が話題になることが多い。
先日、パーティで、知り合いの映画のプロデューサーとばったり会ったら、「客を呼べる安全なキャスト、安全なストーリーばかりが横行している」と嘆いていた。
時代を追いかけて、安全なモノを作り始めてしまうと、クリエイティビティは死んでしまう気がする。

でもまあ、歴史を振り返れば、景気が悪いときには、負のエネルギーが作用して、逆にとてもおもしろいものがでてきたりすることもあるわけで、これからそんな時代が来るのではないかと期待する気持ちもある。
こんなご時世だから、攻めないといけないと思うのです。
というわけで、こんな時代だからこそ、おもしろいコンテンツを作らせてくれる雑誌募集中。

追伸:エスクァイア復刊に向けて、まだ署名してない方はぜひ署名プリーズ。匿名でもできます。



| メディア | 16:58 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

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ヨーダと不況

ダウが恐怖の6000ドル代に突入しました。
さすがにこういうニュースにも馴れてきたけれど、先が見えない感じがおそろしい。

先日、あるヘッジファンドのオフィスで行われたコンファレンスコールの場に偶然立ち会うチャンスがあった。
電話の向こうには社長さん。こっち側にいるのはパートナーたち。
たまたまご挨拶に伺ったオフィスで、コンファレンスコールが始まってしまったのです。
いかにも不機嫌な声で社長さん。
「Your boy is raising tax on us」
Your boyというのはオバマのこと。
パートナーたちがオバマに投票したことを知っているので、増税について、ほーらみたことか、と言わんばかり。

ちなみにこの社長さん、お金持ちのなかでも超金持ちの部類に入るおヒトです。
オバマのプランが実行されたところで、税率は1%ちょいしか変わらないという。
そのうえもうお年寄り。
子どもたちも、孫たちも十分裕福な暮らしをしていくだけの蓄えがあるというのに、なんだかとても不安そうな様子である。
なんでそんなに持っているのに不安なんだろう?とつぶやいた私にお友達のヒトコト。
「持っているのに、じゃなくて、持ちすぎているから、だよ」

大富豪が私より不安だと思うと、なんか気分がラクになるけれど、最近の世の中で不安なのは一般庶民も一緒である。
ちょっと話は変わるけれど、こんなことがありました。
先日夜遊びに出かけたブルックリンのバーの軒先で立ち話をしていたら、若い女の子が話かけてきた。
I am trying to raise $2.00.

ようは2ドルくれよ、ということである。
特にすごく貧乏そうなわけでもないし、財布でも落としたか、と思ったものの、見知らぬ他人にお金をあげる趣味はないので、お断りした。
すかさず通りかかった別の男子に同じお願いをする彼女。

すると、お願いされた男子は、めっちゃ怒り狂っている。
How about $2 for your jacket?
Get the fuck out of here.
挙げ句には女子に蹴りを入れようとする始末である。
うちひしがれた様子でしょんぼり立ち去る女子。
これまさに、これから変わっていこうとする世の中のプレビューです。
毎日の暮らしが特に変わることはなくても、空気のなかに潜むぴりぴりとした不安感をかいま見ることが増えてきた。
そして恐怖と怒りは背中あわせ。

ヨーダの名言、覚えていますか。
そうそう、あのヨーダです。
Fear is the path to the dark side.
Fear leads to anger, anger leads to hate, hate leads to suffering.

不安や恐怖は誰にでもあるけれど、恐怖に人生をコントールされちゃうと苦しみが待っている、とヨーダは言っている。
これからの世の中、不安とうまくつき合えるかどうかが問われるのかもしれません。


| 時事 | 12:51 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

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「エスクァイア日本版」の休刊のニュース

もうご存知の方も多いと思うけれど、「エスクァイア日本版」が休刊することになった。



2年ほど前くらいから縁あってお仕事をさせていただくようになり、ここしばらくは、同じくニューヨーク在住の八巻由利子さんと交代で「The American Way」 という連載をさせていただいている。

しばらく前から、雑誌休刊の報せをちょろちょろと聞くようになった。
それでも、ちょっと多すぎる雑誌のなかから、一部が淘汰されるのはしょうがない、なんてこっそり漠然と思っていた。
エスクァイア休刊の報を聞いて、神さま、ごめん、間違ってました、って謝ってみた。
遅いかな。
そうだった、こういう危機的状況においては、良いものも悪いものもごちゃまぜに失われていくんだった、と思い出した。

私がまだまだ子どもだった頃、雑誌は、知らない世界につれてってくれるツールだった。
外に出ればなんかおもしろいことがたくさん待っているんだと思わせてくれた。
海外に出てはじめて、日本の雑誌がいかに優れているかを知った。
良い意味ででたらめで、夢があって・・・

雑誌作りにかかわるようになってからは、「捨てられちゃう」メディアに情熱をかけることにロマンを感じてきた。
そして、雑誌の仕事を通じて、いままでたくさんの夢を見せてもらってきた。
ここ数年、雑誌業界自体が「おもしろいモノ」から「売れるモノ」「広告がとれるモノ」にシフトするなかで、「エスクァイア」は、まじめに文化の意味を追求する数少ないメディアだった。

今、雑誌というメディア自体が危ない状態におかれている。
そもそも、紙媒体に流れるお金のパイが小さくなっている上に、この不況。
お金儲けを目的にしていたらやっていられない、という時代がきたのだろう。

「エスクァイア」休刊の報を聞いたとき、雑誌で文化を追求するこの意義をわかっている富豪がどこからともなく登場して救済してくれないかしら、なんて妄想した。
だって私が大金持ちだったら絶対救済するし。
って、思うのは大金持ちじゃないからか。

そしたら、編集部OBやコントリビューターの有志が集まって、こんなサイトを立ち上げたというではないですか。
http://foreveresquire.seesaa.net/article/114965415.html

オトナになると、情熱を維持し続けるのは大変です。
しかも、社会って理不尽なことばっかり起きる。
そして、人の情熱の行方が、そんな情熱とまったく関係のない次元で決められて行く。

自分も会社員を経験して、フリーランスになった。
もちろん自分の食いぶちは確保しないといけないけれど、ある意味、お気ラクな立場でもある。
どこの雑誌にも、必要以上に感情移入しない「フリーランス病」になっていたかもしれない。

会社のトップが決めたことにただ立ち尽くすだけでない「エスクァイア」の関係者の情熱に感動した。
そして、初めて、何かしないといけない、と思った。
というわけで、「エスクァイア」好きな人、雑誌にロマンを感じる人、ぜひサイトを訪れて、コメントを残してください。

| メディア | 07:02 | comments(-) | trackbacks:1 | TOP↑

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