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エアラインとの戦い 〜カナダ編



昨日はカナダ出発の日。
前日の夜遅かったのでぎりぎりまで眠りたかったのと、早朝だから大丈夫だろうと思って、6時の飛行機にのるために、4時半にホテルを出た。
大雨で意外に時間がかかり、空港についたのは5時シャープくらい。
カウンターの列に並んで順番がきたのが5時5分。

ユナイテッドのお姉ちゃん。
「もう乗れません」
えええええええ?だって、ゲートもすきすきだし、絶対間に合うじゃん!って思ったが、とりつく島もない。
カスタマーサービスに電話して、別の便を手配しろとのたまわる。
ふと周りを見回してみると、怒っている人がほかにもいっぱいいる。
どうやらオーバーブッキングして、5時にさっさか閉め切ったらしい。
呆然。
もしかして、これ、わざとやって、変更フィーを稼いでいるのではないかと思うくらい。

しょうがないのでカスタマーサービスに電話すると、ユナイテッドの便は1日1便。
翌日もソールドアウトなので火曜日までのれない、という。
系列のフライトもすべてダメで、別のグループ便に乗るには一人900ドルかかるって。
再び呆然。
でも、私もフォトグラファーのA-chanも、翌日の朝にはNYにいないといけない。

どうしよっか。
と思った瞬間、いや〜な“名案”が頭に浮かんだ。
車で帰ろっか。
もう一度いろいろ考えてみたけれど、これまでの経費に加えて、さらに1800ドルは微妙である。
それに、そんなことをすると、エアラインに負けるみたいでとても悔しい。

レンタカーのカウンターがオープンするのを待ちながら、もう一度、カスタマーサービスに電話して、他に方法がないかと探ってみたけれど、やっぱりベストの案は、次の日のスタンドバイ。
それも乗れるかわからない。

よし、やっぱり車で帰ろう。
そう思ってダラーのカウンターにいくと、片道だと数千ドルかかるという。
うそだろ〜。
次は ナショナルでソールドアウトと言われ、3度目の正直と思ってエービスに行った。
なんと、NYに戻さないといけない車があるという。
不思議なことに、これだけ悪い状態でも、そんなことをいうと、なんてついているんだろう!と一瞬思ってしまうから不思議である。

ざっと計算して、1400キロ以上の旅である。
A-chanは免許を持っていないので、運転は私ひとり。
自分で言い出したこととはいえ、出発するときには、「ほんと、大丈夫かな」と不安がよぎった。
前日は3時間しか寝てないし、自分の体力が不安。
グーグルマップは14時間半と計算してくれたけれど、日曜日の夜の渋滞も不安。
夜に書かなきゃいけないはずの原稿も不安。
でも、帰るしかないわけで。

やってみたら、意外とおしゃべりしながら運転するうちに、なんとかなった。
カナダの道は美しいし、国境を車で超えるという経験も初めてしたし、滝も見たし。
もしかして、私、トラックの運転手だってできちゃうかもね〜なんて思っていたら、助手席のA-chanが、
パリダカもできるかもね、って。
私の発想は非常に貧困です。

ニューヨークに着いたのは11時半くらい。
渋滞がちょこちょこあったし、休憩しながらだったので、結局15時間半かかった計算になる。
へろへろだったけど、原稿だってがんばって書いた。
1日に運転した距離の最高記録を更新した。
そして何より、エアラインとの戦いに勝った気分。爽快です。
ま、向こうは負けたって知らないと思うけど。
でもいいの。

今回の取材を引き受けるとき、体力的に厳しいだろーなーって思って、一瞬躊躇した。
けれど相手は、ロバート・フランク。
やっぱりやらないとって引き受けたけど、ここまで肉体的にハードになるとは予想もしなかった。
でもやっぱりロバートと過ごした時間は何ものにも代え難い。
帰りのドライブも含めて、やっぱりやって良かったと思うのです。

記事は9月10日に発売になるMen's Nonno Gに出ます。
もし読んでくれる人がいたら、行間に汗と涙を感じ取ってくださいね。


| たまには日記 | 02:39 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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なぜオバマがリードしていないか 〜NYマガジン

またもやカナダの島に逆戻りをしている。
今度はケープ・ブレトン島。
プリンス・エドワードの東隣の島である。
こうもカナダへの旅が多いと、カナダに呼ばれているような気さえしてきます。

取材の相手はまだナイショだけど、夏をこの地ですごす大物の文化人です。
彼と奥様とご飯を食べていて、「で、大統領選はどうなってるの?」と聞かれた。

こういうことを聞かれると、なんだか試されているような気分です。
ジョン・エドワーズが浮気をしていたことを告白したこと、ジョン・ケリーの攻撃本を書いたジェローム・コルシという輩が「オバマ・ネーション」という攻撃本を発表したこと(オバマとイスラム教の関係をいい加減な論拠で強調したり、学生時代のマリファナ使用をしつこくむしかえしたりしている)なんかを話しつつ、でも、カナダでは報じられていないんですか?と聞いてみた。
ヒラリーが撤退して以来、関心が減っちゃったみたいなのよ、って。
きっと日本の関心もそんなことなんだろうと想像してみる。

国際的な関心はおいておいて、オリンピックが終わる頃には、コロラドのデンバーで民主党の党大会がはじまります。
ちなみに、ブラック・アイド・ピーズ、カニエ・ウエスト、ウィリー・ネルソン、ジェニファー・ロペスなんかがパフォーマンスするらしい。
余談ですが、レイジ・アゲンスト・ザ・マシーンも党大会の最中に、デンバーで演奏するんだって。Tent State Music Festival to End the Warというイベントで。
そして、共和党の党大会。
ビーチ・ボーイズ、カウボーイ・トロイ、サミー・ヘイガー・・・・
どちらの党のほうがイケてるか、一目瞭然。
そうはいってもイケてるだけでは選挙には勝てないんだな。当たり前だけど。

ニューヨーク・マガジンの最新号に、「Why Barack Obama Isn't Doing Better in the Polls」という記事があった。
なぜかというと、そりゃあもちろん彼が黒人だから、であります。
(その背景には、現職の支持率が史上最低のレベルなのに、民主党候補が大きくリードしていないのはおかしい、という前提がある)。
でも、たいていの人はそれを認めたがらない。
この記事は、そのへんの人種問題のリアリティを追求しているので、興味のある方はどうぞ。

昨日のビッグニュースのひとつは、ピュー・リサーチ・センターが、2042年には、白人がマイノリティになる、という見通しを発表した、ということだった。
一瞬、お!と思ったが、よく考えたらあと34年もかかるってことですよ。
最近、なんだかんだいって、アメリカは白人の国だもんな、と思うことがよくあるし。

「オバマ・ネーション」が出て、感じたのは、タカ派の右派のみなさんが、必死になって、「オバマに投票しないでいい理由」を提供しようしているみたいだなって。
心のなかではなんと思っていても、「黒人だから投票しない」と決めるには罪悪感を感じるところを、でもオバマはイスラム教徒かも、と思っていれば、それが言い訳になっちゃったりして。

そして一方、民主党も、まるで人種差別がないかのようにふるまっているような気がして、そのへんのナイーブさも気になるのです。
だって、浮動票を狙っているのに、カニエとJLoって、大丈夫か。
共和党には投票したくないけど、オバマもねえ、と思っている人をより遠ざける結果になりそうで、ちょっと不安。
がんばれ、ウィリー・ネルソン。



| 政治 | 00:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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Rage Against the Machine と革命

3日間、携帯もインターネットもつながらない場所に旅していたら、世界ではいろんなことが起きていた。
予想していたことも、予想していなかったことも。
オリンピックが始まっていて、柔ちゃんがメダルをとっていた。
グルジアとロシアですごいことが起きていて、我が家のまわりにグルジア国旗を持った若者たちが集まっていた(国連の近くなので)。
スポーツを通じて平和を推進する、というコンセプトはやっぱり形骸化? してるよね、そりゃ。
わかっちゃいたけどがっかりする、という典型的な例なような気がします。

今回の旅の車中、ミュージシャンの男子とアーティストの女子との間で、Rage Against The Machineの話題になった。
ザック・デ・ラ・ロッチャの新しいプロジェクト「One Day As A Lion」の話題がきっかけになって、Rageみたいなバンドってもうないよね、という方向に会話が進んだ。
ご存知の方も多いように、Rageは、ものすごくラディカルなことを歌っていたバンドである。
しかも、ザックはハーバードで政治学を勉強して、政治家のもとで働いたりしていたこともあったうえで、そんな考えにたどりついた人だったわけです。

でもさ〜、Rageのメッセージって、結局、意味があったわけ?と言った女子。
そりゃあ、あっただろ、と男子。
ふむ、と考えこむ私。

女子の言いたいことはつまりこういうことだった。
たぶんRageは、メッセージを多くの人に聞いてもらうために、メジャーのレーベルと契約して、システムのなかから体制を変えようとしたのだろう。
でもメジャーになった以上、自分たちの存在自体が矛盾じゃない?って。

When you become the brand, you lose your messages
自分がブランドになってしまったら、メッセージは失われてしまう

一理ありますね。
そもそも、rageのファンたちのどれだけが、彼らの歌っていたことを理解していたかもナゾである。
だったら、自分たちのメッセージを本当に理解している小さくてもコアなファンがいればいいじゃん、と彼女は主張していた。

だからといって、インディのレーベルで、ちまちま革命の歌を歌うのも、なんだか不毛な感じがするし。

男子のミュージシャンは、本当に革命を起こしたかったら、大きな波が必要じゃないか、と反論していた。
が。
Rageが本気で革命を起こそうとしていたかはよくわからないけれど、人数だけが多くても、コミットの度合いが小さければ、大きな動きになりきれないケースもたくさんあるし。
チベット解放運動とか。

軽いノリで始まった会話だけど、永遠のテーマをめぐって、ぐるぐるぐるぐる。
結論の出ない難しい問題であります。

そうはいっても、Rageは、若くて偏った考えをもっていた10代の私の考えには、少なくとも大きな影響を及ぼしたような気がする。振り返れば。
もちろん、革命は起こせていないけど、さ。
ここんとこ「シニカルだ」とか「悲観的だ」とか言われがち。
そんな自分でもやっぱりRageの存在には、大きな意義があったと思いたいのでした。


| 有名人/セレブ | 14:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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パリス・ヒルトンを大統領に、タイラ・バンクスをファースト・レディに。

昨日ははからずも飲んで沈没してしまったので気がつかなかったけど、パリスがマケインのビデオに対抗してこんなビデオ。

See more Paris Hilton videos at Funny or Die


ずっと前に、雑誌の記事に「パリスはバカなふりをしてるだけ」って書いたことがあるけれど、ほらね!と言いたくなった。
パリス対マケインの勝負、パリスの勝ち。
そして、真剣に怒っていた母を軽々超えた感じがします。
自分を笑っているやつらを笑い返す、このユーモアのセンスはあなどれません。
別にパリスのファンだってわけじゃないよ。
でも、馬鹿だ馬鹿だと言われている自分をちゃんと知ってる。
そこがすごいと思うんだな。

そうはいっても、もちろん、仕掛け人がいてこそ。
仕掛人は、ウィル・ファレルとアダム・マッケイがやっているプロダクションであります。
単に笑いをとろうとしているだけとはいえど、政治とカルチャーをクロスオーバーしているところに一票。

ちなみに、パリスは、原油問題について、オバマのアイディアとマケインのアイディアの「ハイブリッド」を提案している。
手をこまねいているだけで何もできない政治家たちを笑っているようでもある。

そしてもういっちょファッションX政治のクロスオーバー。
ハーパス・バザーが、タイラ・バンクスがミッシェル・オバマに扮したストーリーをやっていて、そのビデオを公開している。



ミッシェル・オバマに表紙のオファーを出したのに断られたから、というもっぱらのウワサ。
それにしても、タイラ・バンクスにミシェル・オバマ役をやらせることに何か意味があるのだろうか?
黒人女性で有名だってことにしか共通項はないし。
あまりに陳腐であまりにチープ。
クロスオーバーの失敗例です。
どうせやるなら、何か社会的意義やメッセージ性のあることをやればいいのに。



| 有名人/セレブ | 07:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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表現の自由と乳首 〜カルバン・クライン

大手のネットワークが放映を拒否したというカルバン・クライン「シークレット・オブセッション」のCM。
編集しなおして、テレビバージョンを作ったようだけど、youtubeでは、放映拒否されたほうが見られます。



放映拒否の理由は、もちろんちらっと見えちゃったチクビ。
いいじゃんねえ、エヴァ・メンデスきれいだし。
チクビが見えたかどうかで放映するかを決めるなんて、どこぞの国の映倫を思い出します。

そうは言っても、今の世の中、公共の電波に乗せられないものだって、出す場所はバーチャル世界に多々あるわけですから、お蔵入り、なんてことにはならないのであります。

それにしても笑えたのは、アート・ディレクターのファビアン・バロンがWWDのインタビューに答えて言った言葉。
You must be kidding me.
This country really needs a new President ― this country is so messed up,
冗談だろ。
この国はつくづく新しい大統領を必要としているよ
この国はもうぐちゃぐちゃだ。

この見解を論理の飛躍ととるか、自由を少しずつ奪われるクリエーターの現実ととるか。
個人的には、前人たちががつがつと広げてきた表現の自由が、ちょっぴりずつ制限されつつあるような気がしています。

| 映画/テレビ | 14:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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パリス・ヒルトンの母怒る

前回書いたパリス・ヒルトンやブリタニー・スピアーズが登場するオバマの「セレブ・アド」騒ぎの余波がまだ続いている。
マケインのことを怒っている人は多いみたいなのだが、意外な方向からパンチを繰り出した人がいる。
パリスのママ、キャシーであります。

リベラル系ニュースサイトHuffington Postに対してママのコメント。
It is a complete waste of the money John McCain's contributors have donated to his campaign.
It is a complete waste of the country's time and attention at the very moment when millions of people are losing their homes and their jobs.
And it is a completely frivolous way to choose the next President of the United States.

ジョン・マケイン陣営に寄付したコントリビューターのお金を無駄にしている。
何万人もの人が家や仕事を失っているときに、この国の時間と関心を無駄にしている。
アメリカの次期大統領を選ぶにしては、くだらないやり方である。

パリスの母については、今までまったく認識がなかったけど、よくぞ言ってくれました!と思っちゃった。
ちなみに、パリスの両親は、二人とも個人寄付の上限いっぱいいっぱい、2300ドルずつマケイン陣営に寄付していたそうだ。
寄付したのに、自分のところの娘を「悪い例」として使われたら、確かにたまらないですね。
前回は「嫌らしい」と書いたけれど、よくよく考えると、嫌らしいうえに頭も悪い。
パリスもブリッタニーも、どちらかといえば共和党サイドの人である。
(ヒルトン家は伝統的に共和党を好む"オールドマネー”の代表格だし、ブリッタニーは、ブッシュ大統領を擁護していたはず)
もしかして、マケインはヒルトン家の票を失ったか?

この「セレブ・アド」はもういっちょ「the one」というタイトルのものとペアになっている。


パリスとブリッタニーに比べるとわかりづらいけど、登場するのは、映画「十戒」のモーゼスを演じたチャールトン・ヘストンです。

この2つのCMは、前回、前々回の選挙で、セレブが選挙応援をやりすぎて、かえって内陸の有権者が共和党に流れた、という教訓を生かして作ったものと思われます。
が。

これについて、クリントン大統領の元顧問でコメンテーター、ハーバードの教授でもあるデビッド・ガーゲン先生が、テレビでこんなことを言っていた。
I think the McCain campaign has been scrupulous about not directly saying it, but it's the subtext of this campaign.
Everybody knows that. There are certain kinds of signals. As a native of the south, I can tell you, when you see this Charlton Heston ad, 'The One,' that's code for, 'he's uppity, he ought to stay in his place
マケイン陣営は、直接言わないように注意を払っているが、(問題は)言外の意味合いにある。
誰もが知っていることだ。
ある種のシグナルがあって、南部のネイティブとして、チャールトン・ヘストンの広告を見れば、隠された意味は、「やつは生意気だ、身のほどにあった場所にいるべきだ」ということだ

ちょっとわかりづらいし、私も最初は、あれ?なんて思っていたのだけれど、確かに見下したようなトーンは感じますね。
日本でも流行語になったほめごろしに近い雰囲気である。
おまけにガーゲン先生の言わんとすることは、オバマが黒人でなかったら、こんな戦略をとるのか、ということなんだと思う。
一見、マイノリティに対してもにこにこオープンな感じをかもしだしておいて、センシティブな局面になると人種差別的な一面を出す白人のおばちゃん、みたいな感じである。

しかし、こんな稚拙なCMを見て「やっぱマケインのほうがいいな」って思うヤツがいるんだろうか。
社説などを読んでいても、マケイン、かなり分が悪い感じ。
こんな広告2つも作って自分の足をすくわれるなんて笑えますが、オバマだけでなく、有権者のことも見下してるんだろうな。



| 有名人/セレブ | 07:36 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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チベット人とオバマ

つい先日、バスを待っていたら、日焼けしたアジア人のお兄さんがやってきて、「暑いねえ」と話かけてきました。
Tシャツには「Free Tibet」と書いてあるし、アクセントもそれらしい感じ。
チベット人?」って聞くと、
「なんでわかった?????」とものすごい驚いてる。
わかるし、フツーに。
彼はダラムサラで育ち、何年か前にビザをとってNYにやってきた。
昼間は、チベット人の団体でボランティアをし、夜は、どこかのマンションでメインテナンスの仕事をしているんだって。
僕はビザもとれたし、仕事も見つかって、本当にラッキー、なんて話をしてくれた。

そこに中国人のおばちゃんがやってきて、私に中国語でバスについての質問。
「中国語しゃべれないんですう」と謝ると、チベットのお兄さんが、中国語で助けてあげてる。
「15番のバスにのるといいよ」って。
中国語もしゃべれるの?と聞いたら
中国語もヒンドゥーもしゃべれるよ、ほら、サバイバルの手段だからね、って、笑っている。
当たり前といえば当たり前なのかもしれないけれど、なんかちょっと悲しいキモチ。
韓国人のおじいちゃんとかが、にこにこ日本語で話かけてきたときの感じにちょっと似ている。
あまりに嫌みや悪意がないので、かえってすいません、っていうキモチになっちゃうっていうか。

ときどき、アメリカに住んでいる=アメリカ政府を支持している、みたいな受け取られ方をするときがあって、そうじゃないんだよな〜、と悲しく思うことがある。
自分だって、普通の人と政府や政治家の行いを一緒にしちゃいけない、っていつも思っていても、それを100%実践するって意外と大変で、チベット人のお兄さんが、それを笑顔でさくっとやってる姿に頭が下がった。
簡単なようでできないのよねえ、なんて思っていたわけです。

そんなとき、オバマにちょっとがっかりの事件があった。
事件、ってほどでもないんだけど。

発端は、マケインオバマ攻撃ビデオ。APから。


オバマは、セレブだけど、実際に大統領として大丈夫なのか、と疑問を呈している。
どちらかといえば嫌らしいけれど、まあ、共和党が考えそうなことではある。

このビデオに対して、オバマが演説のなかで、こんなことを言った。
So nobody really thinks that Bush or McCain have a real answer for the challenges we face, so what they’re going to try to do is make you scared of me
You know, he’s not patriotic enough.
He’s got a funny name.
You know, he doesn’t look like all those other presidents on those dollar bills, you know.
今、われわれが直面している課題に、ブッシュやマケインが答えを提案していると考える人はいないわけで、だから、(彼らは)僕のことを恐れさせようとしている。
やつは愛国心が足りない。
おかしな名前だし。
お札に刷られているような他の大統領みたいに見えないしって。

確かに、オバマの名前を理由に、あいつはイスラム教徒だ、とばかな主張をしている人たちがいる。
でも、そういう戦略をとっているのは、極右のブロガーとか、気味の悪い政治団体とかで、マケイン陣営ではないわけです。
それを一緒にしちゃったの、オバマくん。

これに対して、マケインは、オバマは"playing race card(人種問題を切り札にしている)"と怒っている。
マケインが大統領になるべきかはおいておいて、今まで、マケインオバマの名前や人種を理由に、オバマを攻撃したことはなかったから、これはちょっとがっかり。
一番ダメな人たちのレベルに自分を落としてしまったような気がする。
アメリカの選挙においては、かたっぽが汚い戦略をとると、それがきっかけに全体のムードがどんどん汚くなるときがある。
そして、国民は、政治にどんどんうんざりする。
これだけ大切な選挙だし、あと何ヶ月もあるのだから、クリーンにやっていただきたいものです。

| 政治 | 00:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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Wの功罪

オバマがヨーロッパでロックスター並みの熱狂に迎えられた、とか、マケインの顔のできものが、とか、ニュースはすっかり大統領選挙に支配されているもよう。
それもそのはずです。
だって、任期ももう残り半年を切り、ほとんど何をしているのかよくわからない。
アメリカの選挙システムに疑問を感じるところは、選挙に時間がかかりすぎて、その間、そのときの政権が無駄に時間をすごしているように感じてしまうところ。

でも最近、Wの頭文字を目にすることが増えた。
われらがブッシュくん、ひさびさに見ると新鮮。
なんてことはないか。

今となっては、Wのやったこと、特にイラクを侵攻したことについては、「ウソをついた!」と思っている人が多いわけなのですが、「殺人罪で起訴しろ!」と怒っている御仁がいる。
ヴィンセント・ブグリオーシさんというノンフィクション作家です。
この人は、昔、カリフォルニア州の敏腕検事としてならした人で、殺人鬼チャールズ・マンソンの裁判をやって有名になったの。
そして、最近、「The prosecution of Geroge W. Bush for Murder(ブッシュ大統領の殺人罪における起訴)」という本を書いた。
その主張は、法的にいって、ブッシュ大統領を殺人罪で起訴することができる、といういたってシンプルなもの。
先日、タクシーのなかでラジオを聞いていたら、ブグリオーシさんが、「ナショナル・メディアからまったく取材されない」と怒りくるいつつインタビューに答えていた。
そっかー、やっぱりマスコミも現職の大統領には弱腰だなあ、なんて思っていたら・・・
下院の司法委員会に招聘されて証言しているのではないですか。
やるな、下院。
立役者は、今さら弾劾するには時間がない、と判断したクシニッチくんらしいけれど。

しかし、これを見て、Wはどう思っているのだろうか。
怒ってるだろーなー。
ていうか、やれやれ〜って思うと同時に、さすがに現職の大統領なだけに、大丈夫か、とブグリオーシさんのことがちょっと心配。
でも逆にいえば、任期が終わったら、さらにいろいろ噴出しそう。
多方面から。

そしてそんなWにさらに悪いニュース。
オリバー・ストーンが、ブッシュを題材に映画を撮ったらしい。
予告、ここでご覧下さい。


でもこの映画を見たいかどうか、ちょっとビミョウ。
貴重な2時間を投資して、やっぱりバカだったんだ、って確認すればいいのだろうか。
それ、あまりに不毛な気がします。

| 政治 | 15:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アート・バブルとロウワー・イースト・サイド



今週は、某誌のNY特集の仕事で、ロウワー・イースト・サイドに急増するギャラリーを取材している。
去年の夏、エスクァイアのNY特集でアートページを担当したときは、チャイナタウンとロウワー・イースト・サイドのギャラリーはあわせてせいぜい5軒くらいしかなかったけど、今はたぶん軽く15軒くらいはあって、さらに秋には5軒くらいオープンするらしい。
チェルシーの雄、リーマン・マーピンも、昨年の夏、ロウワー・イースト・サイドに新しいブランチをオープンした。
恐るべし増え方です。
ロウワー・イースト・サイドのきったないストリートに、ギャラリーがある光景はなんかニューヨークらしくていいと思う。
やっぱりニューヨークはこうでなくっちゃ、なんて思っちゃった。

NYのお高い現代アートといえば、これまでメッカはチェルシーの西端(ファー・ウエスト・チェルシーともよばれる)だったのだが、数年前から、チェルシーの家賃の高騰を嫌うギャラリーや、新興ギャラリーが、東のほうに移動してきたのです。
いまだにチェルシーには、300軒以上もギャラリーがあるけれど、「チェルシーで出していれば売れる」という時代はもう終わったようで、よっぽど名前がないかぎり、最近はなかなか苦しいらしい、という話を聞いたことがある。
個人的にも、確かに、チェルシーギャラリーは、5軒くらい見ると疲れちゃう。
お茶を飲むところも少ないし、敷居が高い感じがするのも、疲れちゃう理由のひとつかも。

で、今日、取材した先のギャラリーのオーナーが、小声で
「知ってる?ニューヨークのアートバブルはもう弾けたんだよ」
と教えてくれた。
いつ?と聞くと、去年の12月、大きな値崩れがあったらしい。
でもみんな小声でささやきあってるだけらしい。
だって、公にしゃべると、状況がさらに悪化しちゃうから。

彼によると、たとえば、大御所メアリー・ブーン・ギャラリーのメアリー・ブーンさんが、どこかの新聞に、売り上げが50%下がった、と言ったらしい(新聞記事、探してみたが見当たらず)。
When she says 50%, it really must be 80%
彼女が50%っていうときは、ほんとはきっと80%だよ、と笑うこのオーナー。

みんな、いつか弾けるって思ってなかったのかなあ?と聞いてみると、
Everybody saw it coming, but they all milked it and milked it until the cow didn't have milk anymore.
みんなくるって思っていたけど、それでも、牛のミルクがなくなるまで、ミルクをやり続けたのさ。
このへんの仕組みは、株も不動産もみんな一緒である。
みんな、自分はババをひかないと思って、やり続けちゃうわけです。

ちなみにチェルシーの家賃が払えないギャラリーがやってきたことで発展したロウワー・イースト・サイドの地価も、今ではほとんど変わらないらしい。
ニューミュージアムがオープンして、ギャラリーの数も増えた。
チャイナタウンの家主たちだって、やった、って思うだろう。
どんどん周期は短くなっているが、ニューヨークのアートシーンは、家賃が高くなる→安いエリアを見つけて移動する→急に発展する→家賃が高騰する、の繰り返し。
これ以上、どこに移動するのだろう、と思うけれど、きっと、また別のエリアに動くんでしょう。

ちなみにくだんのオーナー氏は、うちは安い家賃で長期リースを結んだから大丈夫、と余裕顔。
でもね、かわいそうなのはアーティストだよ、って教えてくれた。
チェルシーのバブルのおかげで、いいものも悪いものも値段が上がった。
でも一度、1000万以上の値段がついちゃうと、そのあとどれだけ景気が悪くなっても、安い値段をつけることが受け入れられない。そうやってダメになったアーティストたちを山ほど見て来た。
だから、値段は自分のプライドと生活が満足する程度で、安めに設定しろっていつも僕は言ってるの。

アートの世界も大変ねえ。
そういえば、もうすぐ日本で公開される「ビューティフル・ルーザーズ」のアーロン・ローズ監督にインタビューしたときに、彼が、映画に登場するアーティストたちについて、
「大切なのは、彼らが、売れようと売れまいと、淡々と創作を続けていく奴らだってこと」
と言っていたのを思い出した。
お金はだいたいにおいてコトをフクザツにするけれど、そんな気持ちでやらないと、きっと惑わされちゃうってことかもしれません。


| アート | 12:54 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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"Sex and the City"についての考察

5月末にNYで"Sex and the City"の映画版が公開され、それにあたって、サラ・ジェシカ・パーカーをはじめとする4人組と、脚本と演出のマイケル・パトリック・キングに取材した。
原稿はかなり前に書いてあったのだけれど、日本での公開を前にゲラが戻ってきて、"Sex and the City"についてまたちょっと考えていた。
読んでいただければわかるけれど、AERA の記事のキモは、「なんでそんなにウケるか」ということである。

"Sex and the City"マニアたちに話を聞くと、だいたいにおいて「共感できる」という返事が返ってくる。
そして、だいたいみんな、4人の一人に自分を重ね合わせたりするらしい。

4人に取材をしたときに、ミランダ役のシンシア・ニクソンが、"Sex and the City"を"Bill Cosby Show"と比べていた。
ビル・コスビー・ショーが、黒人中産階級の生活ぶりを示して共感を得たように、"Sex and the City"は、シングル女性たちの生き様を見せた、ということです。

There are single women out there in the 30's and the 40's who are earning their own money and spending their own money.
And it can be wonderful and doesn't have to be sad and lonely.

30代、40代でシングルというと、どうも痛々しい感じに思われがちなところを、痛々しく見せなかったところが、女性たちにウケたのでは、という分析です。

個人的に、「なんで女性は"Sex and the City"が好きか」よりも興味をそそられるのは、「なんで男性は"Sex and the City"を好まないか」である。
前にも書いたとおり、"Sex and the City"をテレビで見ようとして男性にブーイングされたこと、あるもんね。


でも最近気がついた。
私の周りにいる男子は、意外と"Sex and the City"を見ているのです。
私と仲良くするくらいだから、オープンマインドな人が多いと思うのだけれど、"Sex and the City"を見て、女ってやだなと思わない男性はとても素敵だと思う。
そして、"Sex and the City"を見ている男子は、女性扱いがとてもうまいような気がする。
見ているからうまいのではなくて、女性の本質をわかっている男子は、あれを見ても、いやな気持ちにならないのではないか、と考えてみた。
どうでしょ?その分析。

ちなみに"Sex and the City"を書いているのは、ゲイの男子であるマイケル・パトリック・キングである。
女性のこともよくわかっているし、男子のこともとてもよくわかっているのだと思う。
"Sex and the City"をみて、一番恩恵があるのは、きっと女子ではなく、もてない男子だと思うわ。
女ってわかんねーな、と思う男子にこそ"Sex and the City"は見てほしい、と思うのです。





| 映画/テレビ | 07:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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